環境保全への取り組み

基本的な考え方

スズケングループは、21世紀の最も重要な課題の一つを地球環境保全であると認識し、「地球の健康とすべての人々の健康で笑顔あふれる豊かな生活に貢献するベストパートナー」を目指しています。

事業活動によるCO2の排出は、営業車両におけるガソリン使用と全国の営業拠点における電力使用が大半を占めており、事業活動と環境への負荷は相関関係にあります。そのため、環境に関する法律・規則などを遵守することはもちろん、事業活動を通じ、地域社会と協調しながら環境負荷の低減にも取り組んでいます。

また、日本国内では、医薬品の廃棄ロスや残薬(薬の飲み残し)が大きな課題となっています。そこで、当社グループでは、こうした社会コストを最小限に抑えることを重要な経営テーマと位置付けています。

環境方針について

わたしたちスズケンは、「新しい価値の創造により、地球の健康とすべての人々の健康で豊かな生活に貢献する」という経営理念を掲げています。スズケンという企業が、この地球上に存在するための基本的な考え方であり、人と地球の健康のためにトータルでお手伝いさせていただきたいという、わたしたちの熱いメッセージが込められています。

環境方針

医療用医薬品の流通を中心とする、健康に関するあらゆる分野がスズケンの事業領域です。"健康創造"という健康に関わる幅広い領域で、新たな価値を創り続けています。

わたしたちスズケンは、21世紀の最も重要な課題のひとつは地球環境保全であると認識し「地球の健康とすべての人々の健康で『笑顔』あふれる豊かな生活」に貢献するベストパートナーを目指します。

そのために、環境に関連する法律・規則および協定等を遵守するのはもちろんのこと、地域社会と協調しながら、「省資源・省エネルギー」「廃棄物の削減・リサイクル」「CO2排出量の削減」「業務の効率化」など事業活動と一体的な環境保全活動を推進し、持続可能な社会の発展に貢献します。

そして、この環境方針を実りあるものにするために、従業員および関係者等に周知すると共に、広く一般のみなさまにも開示しご理解いただくよう努めます。

2023年4月1日

株式会社スズケン

代表取締役社長 浅野茂

環境マネジメント体制

当社グループでは、環境方針の下PDCA サイクルを回し、社員一人一人の環境認識を深めるとともに、企業活動の改善を進めることで、省資源・省エネルギー化を継続的・計画的に推進していきます。

持続可能な社会の実現に向け、サステナビリティ委員会において、CO2 排出量の削減をはじめとする環境保全や社会的コストの低減といった重要課題への取り組みや、事業活動における気候変動などによるリスクの管理を行います。

環境マネジメントシステム 概要図

CO2排出量の削減

CO2排出量の削減の取り組み

スズケンの医薬品卸売事業では、軽自動車やハイブリッド車といった省エネ車両への切り替えや、テレマティクスサービスの利用によるエコ運転の推進、省エネ設備・機器の導入などによる電気使用量の削減に取り組んでいます。また、顧客ニーズに基づく最適な配送体制の構築や在庫管理の提案による頻回配送・急配の削減など、配送の効率化を図ることでもCO2排出量の削減に貢献しています。

ソフトバンク株式会社との協業によるスマートロジスティクスの取り組みを通じて、医薬品流通のリアルタイムでの可視化を実現するなど、共同物流・共同配送も視野に配送効率を考慮しながら、医薬品の安定供給とCO2排出量削減の両立に取り組んでいきます。

  • テレマティクスサービス:専用の車載器によって、車両1台ごとに走行データを集積し、運行状況やドライバーの運転特性などをリアルタイムに把握するシステム

TCFD提言への対応

ガバナンス

気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティマネジメントのガバナンス体制に組み込まれています。「地球の健康とすべての人々の健康で笑顔あふれる豊かな生活に貢献するベストパートナーを目指す」という環境方針の下、持続可能な社会の実現に向け、事業活動における気候変動要因のリスク管理を行います。

戦略

当社グループは、事業活動に与える影響について、政府間パネル(IPCC)や国際エネルギー機関(IEA)が公表する複数のシナリオ※1を元に、想定される気候変動リスク・機会について、財務影響を定性的・定量的に評価し、分析を行っています。

なお、パリ協定の長期目標である産業革命前からの気温上昇を「2℃未満」とするシナリオおよびCO2排出量削減への取り組みが不十分な「4℃」とするシナリオの2つのシナリオを想定しています。

  • ※1
    IPCC第6次評価報告書(SSP5-8.5)、IEA WEO 2022(STEPS、APS)などを参照

(1)想定するシナリオ

(2)リスク・機会の概要、財務への影響

リスク管理

当社グループへの気候変動による影響については、サステナビリティ推進体制に基づき、サステナビリティ委員会にて協議するとともに、案件に応じて取締役会に検討内容の報告を行います。また、「安心・安全かつ安定的な医薬品流通」という社会インフラとしての機能の維持は、リスク管理における重要課題と位置付けています。

トータル・トレーサビリティやグローバル基準による品質向上に加え、自然災害などの発生時には、メーカー物流と卸物流の連携による東名阪を基盤とした、全国BCPネットワークを構築するなど、有事の際も流通を途絶えさせない対策を推進しています。

指標と目標

当社グループは、2050年のカーボンニュートラル宣言に賛同し、CO2排出量削減目標「Scope1+Scope2を2030年度40%削減(2020年度比)」をグループ全体※2で掲げています。

サプライチェーン全体を見渡し、一層の効率化を図ることで、社会全体のCO2排出量の削減につなげていきたいと考えています。

  • ※2
    対象会社:スズケン、サンキ、アスティス、翔薬、スズケン沖縄薬品、スズケン岩手、ナカノ薬品、エス・ディ・ロジ、三和化学研究所、ユニスマイル、エスマイル、エスケアメイト、中央運輸、サンキ・ウエルビィ、ケンツメディコ
CO2排出量(Scope1+Scope2)

地球温暖化防止への取り組み - 3 Green Action

当社は、地球温暖化防止の取り組みとしてCO2排出削減を目的とした省エネ活動を推進しています。

①グリーンオフィス

事業所内での省エネ活動として、「昼休み時の消灯」「パソコンのスタンバイの徹底」「冷暖房の効率的な使用」などを行っています。

また、各事業所や物流センターの一部において、太陽光発電、LED照明、光感応式照明、高効率空調機などの省エネ設備・機器の導入に努めています。

太陽光発電システム

各物流センターには最大発電能力、阪神(10KW)、神奈川(20KW)、千葉(20KW)、宮城(20KW)、合計で70W(40Wの蛍光灯1750本分)の太陽光発電パネルが設置されています。

②グリーン営業・グリーン物流

営業・配送時における取り組みとして、営業車両をハイブリッドカーや軽車両に切替え、ガソリンの使用量削減に努めています。2022年3月末現在、87.0%の切替を完了しました。また、営業・配送時には、エコ運転の励行に努めています。

③グリーン IT

IT関連の省エネ活動として、省エネタイプのIT機器(パソコン、サーバー等)への切替えおよび新規導入に努めています。

省資源・循環型社会への貢献

限りある資源を有効に活用することが環境負荷低減につながるとの考えのもと、以下のような取り組みを行っています。

①Reduce Action (廃棄物等の減少)

紙資源の有効活用を目的とし、「両面コピーの励行」「電子資料の活用」などの活動を推進しています。

②Recycle Action (再生利用)

分別表貼付の徹底を通じ、廃棄物の分別を推進するとともに、グリーン調達の徹底を図っています。

廃棄物の適切な管理・リサイクル

省資源・廃棄物対策の推進

医薬品の成分として用いられる化学物質は、製造過程における排出や廃棄により生態系に影響を及ぼす可能性があります。その影響を最小限に抑制するためには、環境法令に基づく厳密な管理が必須であり、生産工場における環境管理・衛生管理が重要であると考えています。

医薬品製造を担う株式会社三和化学研究所では、環境保全に向けた目標と行動計画を策定しています。化学物質の排出量の把握やPRTR制度に則った適切な管理に努め、大気汚染物質の排出削減にも取り組んでいます。また省エネ・地球温暖化対策として、高効率なシステムへの順次切り替えやエネルギー使用量の見える化を進め、廃棄物対策として、リサイクル量を増やすことで最終処分率の低下に取り組んでいます。

  • PRTR(Pollutant Release and Transfer Register)制度:人の健康や生態系に有害なおそれのある化学物質が、事業所から環境(大気、水、土壌)へ排出される量および廃棄物に含まれて事業所外へ移動する量を、事業者が自ら把握し国に届け出をし、国は届出データや推計に基づき、排出量・移動量を集計・公表する制度