グループ人材育成・多様で柔軟な働き方の実現

人権尊重の考え方

スズケンは、安全で安心できる職場環境と、社会貢献や自己の成長を実感できる働きがいのある職場環境づくりを企業倫理綱領に定めており、企業活動において従業員一人一人の人権を尊重しています。そのための社内規定の整備やホットラインの設置などの環境整備に取り組んでいます。

また、「スズケングループ人権方針」を策定し、本方針を全従業員に適用し、ビジネスパートナーやその他関係者に対しても、本方針が尊重されるように働きかけています。今後は、事業活動に関する人権への負の影響を特定し、防止・軽減していくために人権デュー・ディリジェンスを実施していきます。

経営戦略と人事戦略の連動

人事戦略では、「経営戦略と人事戦略の連動」「グループ全体の人材育成の推進」「DXに向けたリスキリング」をテーマに掲げています。新中期経営計画の3カ年には、「人材の確保」をはじめ、DXなど専門性を持つ人材育成のための「リスキリング」、健康経営の推進や働き方改革による「ウェルビーイングの推進」、経営参画機会の提供などによる「エンゲージメントの向上」、多種多様な人材が活躍できる「ダイバーシティ&インクルージョン」の5つのアプローチによって、健康創造事業体に向けた人材の活性化と人材ポートフォリオの充実を推進していきます。

人事戦略の全体像

人材の確保

スズケングループにおいて「人」は最大の経営資源であり、当社グループを取り巻く環境が想定を超えるスピードで大きく変化する中、当社グループが目指す、患者さまのヘルスケアライフサイクルすべてに貢献する「健康創造事業体」の実現に向けて、変化に対応する多様な発想を持った人材の育成が必要であると考えています。

グループだけでなく協業企業とともに多様な人財が集い、「One Team」となって、事業を通じた社会への貢献に取り組み、一人ひとりの成長と、その能力を最大限経営に生かす人的資本経営を進めています。

働き方のニーズが多様化する中、地域別採用も視野に入れた選択肢の充実を図っています。また、中期経営計画の重点分野であるDX人材の確保においては、社内での育成に加え、キャリア採用を推進しています。

リスキリング

自律型人材の育成

自律型人材の育成をコンセプトとした人材育成体系を構築しています。若手、中堅、職位者の各層を対象に、幅広い育成の仕組みを整備し、さまざまなプログラムを提供しています。今後は、新たな推奨資格の取得促進やカリキュラムの充実、グループ提案制度や選抜研修を通じた業務改善や新規事業の提案など、学んだ知識を実践につなげる成長機会を提供していきます。

人材育成体系の強化

自ら学び、考え、行動する自律型人材の育成を人材育成のコンセプトに、学びの仕組みや挑戦の機会を設けています。入社5年目までの基礎研修に加え、マネジメント層などの階層別や職種別研修、自己レポートによる選抜研修の実施など、OJTを中心にOFF-JTと自己啓発によって、さらなるスキルアップと自己実現を支援する幅広い教育体系を構築しています。

人材育成体系

DX人材の育成

e-ラーニングや資格取得などを組み合わせたランク別の「DXリスキリングプログラム」を展開し、2023年度は4,300名以上の社員が取り組みました。また、お得意さまへのデジタル商材の提案や対応力を高め、現場の推進リーダーとなる人材の育成を目的に、独自の技能習得プログラムである「DXアンバサダー育成プログラム」も開始しました。このプログラムで認定を受けたDXアンバサダー 50名を全国へ配置し、営業担当者のスキルの底上げを図ります。

2025年度はAIをテーマとした執行役員向け研修や実践形式による支店長研修の実施など、組織としてDX対応力を高める取り組みを強化していきます。

次世代リーダーの育成

各事業の将来を担うだけでなく、新規事業の創出や育成、外部企業との協業の推進を担える次世代のビジネスリーダーの育成を進めています。グループ内での人材交流や他社への出向、若手・女性社員への積極的な機会提供など、会社や雇用形態の枠を超えた人材抜擢を進め、さまざまな事業で活躍できるリーダー人材を見出し、育て、活躍する場を提供していきます。

DX人材と次世代リーダー育成に向けた社内育成プログラム

エンゲージメントの向上

グループコミュニケーションの強化

グループ合同による研修やイベント、経営層とのミーティングを実施するなど、継続したコミュニケーションの場を増やしています。

グループ提案制度「チエノワ」の推進

2022年4月からグループ提案制度「チエノワ」を実施しています。全グループ社員から新規事業のアイデアを集め、事業化していくサイクルを新たな企業文化として根付かせるだけでなく、新しい施策につながる意見収集やナレッジの共有など、グループコミュニケーションの強化を図っています。また、経営参画を実感する場としても機能し、社員のエンゲージメント向上にも寄与しています。

新たな機能・サービス創出に向けた取り組み

  • コラボポータル新機能開発に向けたアイデアコンテスト
  • 医療機器製造事業における製品改良アイデアコンテスト
  • 成長戦略に関するグループ間でのディスカッション、役員への提案

ダイバーシティ&インクルージョン

女性活躍の推進

女性活躍推進法に基づく「えるぼし認証」を取得

当社グループでは、女性社員を積極的に採用し、新規プロジェクトへの登用を進めるなど、能力を最大限に発揮できる環境の整備に努めています。女性活躍推進法に基づく行動計画の策定と女性社員の活躍推進により、スズケンを含めたグループ3社が、女性の活躍推進状況が優良な事業主として、厚生労働省から「えるぼし」の認定を受けています。

なお、スズケンでは、2020年6月から取締役に1名、執行役員に1名の女性が就任しています。

エス・ディ・ロジが取得している「えるぼし」(3段階目)

2023年7月、スズケンは「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(通称、女性活躍推進法)に基づき、行動計画を策定しました。


愛知県「あいち女性輝きカンパニー認証」を取得

スズケンは、2025年8月1日、愛知県より、積極的に女性の活躍促進に取り組む企業として「あいち女性輝きカンパニー」の認証を取得しました。

この認証は、女性の活躍促進に向け、トップの意識表明や採用拡大、職域拡大、育成、管理職登用のほか、ワーク・ライフ・バランスの推進や働きながら育児・介護ができる環境づくりなどの取り組みを行っている企業などを愛知県が認証する制度です。

今後も多様な社員がいきいきと仕事ができる風土づくりを行っていきます。

スズケンが取得している「あいち女性輝きカンパニー」

子育て支援の推進

当社グループでは、ライフイベントを経ながらも働き続けることができる仕組みの整備と浸透を図っています。次世代育成支援対策推進法に基づく「基準適合一般事業主認定」を受け、スズケンを含めたグループ7社が子育てサポート企業として厚生労働大臣から「くるみん」の認定を受けています。

エス・ディ・ロジが取得している「プラチナくるみん」

スズケンは、ワーク・ライフ・バランスの重要性が高まる中、「次世代育成支援対策推進法」の主旨にそって、育児支援に関する制度の充実を図ってきました。そして、現在、2023年~2025年度の行動計画を定め、さらなる充実を図っています。

障害者雇用の促進

スズケンでは2013年12月に特例子会社の株式会社スズケンジョイナスを設立。障害のある求職者を積極的に採用し、一人一人の障害の特性を見極め、職務開発に取り組んでいます。社員はスズケンの本社や物流センターなどに勤務し、伝票処理、データ入力などの業務に従事しています。2024年6月末現在の障害者雇用率は2.6%であり、法定雇用率の2.3%を上回っています。

(株)スズケンジョイナスでの業務の様子

ビヨンド協議会の設置

グループで働くすべての社員の実力を余すことなく引き出すために、「ビヨンド協議会」を設置します。ビヨンド協議会では、会社の枠を越えて活躍するための制度・ルール作りや均等な教育機会に関する協議、人材評価の基準作り等のテーマを協議します。様々な事業で活躍できるリーダー人材を見出し、育て、場を提供する協議をグループ横断でおこないます。

ウェルビーイングの推進

健康経営宣言

心と身体の健康をサポート

スズケンおよびサンキ、アスティス、翔薬、スズケン岩手、エス・ディ・ロジ、三和化学研究所、スズケンビジネスアソシエ、スズケン健康保険組合は、優良な健康経営を実践している法人を顕彰する「健康経営優良法人」(主催:経済産業省等)に選定されました。

大規模法人部門:スズケン、サンキ、アスティス、翔薬、三和化学研究所
中小規模法人部門:エス・ディ・ロジ、スズケン健康保険組合、スズケン岩手、スズケンビジネスアソシエ

スズケンおよびサンキ、アスティス、翔薬、スズケン岩手、エス・ディ・ロジ、三和化学研究所、スズケンビジネスアソシエは、各社長名による「健康経営宣言」を制定し、健康経営推進組織を設置。また、スズケン岩手とスズケンビジネスアソシエは、労働時間の適正化に向けた時間外労働の削減や定期健康診断の受診率の向上を通し、従業員の健康維持・増進を最優先課題として取り組みを推進しています。

こうした取り組みにより、スズケンおよびエス・ディ・ロジ、スズケン健康保険組合は2020年から6年連続、サンキは2022年から4年連続、翔薬は2023年から3年連続、アスティス、三和化学研究所は2024年から2年連続、スズケン岩手、スズケンビジネスアソシエは2025年に新たに健康経営優良法人に選定されています。

健康経営に向けた取り組み

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スズケン/スズケン健康保険組合 サンキ
①労働時間の適正化
②生活習慣病の重症化予防
③メンタルヘルス対策
①褒める文化の醸成に向けてスマイルメールの推進
②労働時間の適正化
③女性特有の健康関連課題への対応
 (乳がん検診の推奨)
④毎月22日(スワンスワンの日)禁煙デー全社活動
  • 左右にスクロールできます
アスティス 翔薬
①労働時間の適正化と労働時間管理の徹底
②生活習慣病等の重症化予防
①運動習慣の定着
②生活習慣病の重症化予防
③労働時間の適正化
  • 左右にスクロールできます
スズケン岩手 エス・ディ・ロジ
①生活習慣病の重症化予防
②労働時間の適正化
①労働時間の適正化
②健康診断結果の有所見者への再受診勧奨
③メンタルヘルス対策
  • 左右にスクロールできます
三和化学研究所 スズケンビジネスアソシエ
①健康診断の受診推奨
②生活習慣病等の重症化予防
 (運動習慣の定着)
①労働時間の適正化
②健康診断の受診推奨
  • 健康経営優良法人認定制度とは、経済産業省が、地域の健康課題に即した取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度です。

社員の心の健康については、外部の専門企業に委託し、定期的にストレスチェックを実施するとともに、専門家によるカウンセリングを利用できる体制を整備しています。また、社内に健康相談室を設置し、「こころとからだの健康相談窓口」として、専門知識を持った産業医と保健師が対応しています。

また、ヘルスケアテクノロジーズ株式会社が提供するオンライン健康医療相談サービス「HELPO(へルポ)※1」を導入し、社員と家族の健康維持・向上に努めています。

  • ※1
    HELPO:24時間365日、チャット形式で医師などの医療専門スタッフに相談できるほか、病院検索も可能

働きやすい職場環境づくり

総労働時間の短縮と柔軟な働き方を重点テーマとし、お得意さま満足度の維持・向上との両立を図るための柔軟な働き方を推進しています。変形労働時間制やモバイル端末などのIT技術を活用した直行直帰などの勤務制度の導入や、在宅勤務の規程整備、ガイドラインの設定などを検討しています。また、有給休暇の取得率向上に取り組んでいます。

また、業務遂行上発生する災害や疾病を防止するため、「安全衛生管理規程」を策定しています。拠点の安全管理者、衛生管理者、防火管理者、安全運転管理者、労働組合、産業医による毎月1回の委員会を実施し、従業員の安全と健康の確保と快適な職場環境の形成を促進しています。

人材関連データ

  • 左右にスクロールできます
2022年度 2023年度 2024年度 備考
連結従業員数(名) 13,429 13,086 12,923 各年度末、連結
女性従業員比率(%) 54.5 53.7 54.4 各年度末
女性管理職比率(%) 10.1 14.2 15.1 各年度末
女性役員数(名) 7 10 10 各年度末
男女間賃金格差(%) 56.1 57.2 57.4 各年度末
男性育児休業取得率(%) 31.6 73.4 90.6 各年度末
障害者雇用率(%) 2.4 2.5 2.6 各6月末時点
年次有給休暇取得率(%) 60.6 58.2 61.9 各年度末
対象会社 : スズケン
ITパスポート取得者数(名) 1,547 1,973 2,451 累計、連結
情報セキュリティマネジメント資格取得者数(名) 50 694 959 累計、連結
DX検定600点以上(名) 430 905 累計、連結
社内認定 DX アンバサダー 50 各年度末
グループ提案制度チエノワ提案件数 4,916 3,277 2,326
社内認定 GDP スペシャリスト 130 389 各年度末
品質マネジメントシステム「ISO9001:2015」取得拠点数 13 13 13
  • 女性従業員比率、女性管理職比率、女性役員数、男女間賃金格差、男性育児休業取得率はスズケン、サンキ、アスティス、翔薬、スズケン沖縄薬品、スズケン岩手、ナカノ薬品、 エス・ディ・ロジ、三和化学研究所、ユニスマイル、エスマイル、エスケアメイト、中央運輸、 サンキ・ウエルビィ、ケンツメディコの実績です。
    • 障害者雇用率はスズケン、中央運輸、スズケンビジネスアソシエ、スズケンジョイナスの実績です。