「キュービックス」座談会~3氏に聞く~

プロジェクトストーリー1

「キュービックスシステム」は日本の医薬品流通の課題を解決するキーソリューション

スズケングループでは、デジタル技術を導入することで「医療流通プラットフォーム」を強化し、「スマートロジスティクス」の実現を目指している。スペシャリティ医薬品の新たな流通モデルとして2017年に導入した「キュービックスシステム」はその実現のための大事なキーソリューションの一つだ。その機能は高く評価され、全国で導入が進み、このたび日本のがん診療の中枢である国立がん研究センター中央病院でも採用された。その背景と今後の抱負をそれぞれの担当者に聞いた。

プロジェクトメンバー

東京病院営業部 主管部長

高波 修氏

東京病院営業部 東京病院第三支店 葛飾病院課 統轄課長

川村 貴綱氏

病院統轄部 病院推進一課 東日本担当

大西 克弥氏

日本のがん診療の中枢、国立がん研究センター中央病院への「キュービックス」導入

高波:現在、キュービックスの導入は全国のがん診療連携拠点病院を中心に取り組んでおり、2024年3月末時点で445施設に採用いただいています。がん拠点病院では、厳格な管理が必要な抗がん剤を大量に使用するため、いつ使用されるか予測がつかない中、患者さまに迅速な投与が求められることから、院内に常備しなくてはなりません。不動品や未使用品の新しい期限への在庫入替を提案するキュービックスの「在庫リフレッシュ機能」があれば、安心して在庫を置くことができ、いざという時に迅速に投薬いただくことができます。このような課題を抱えるがん拠点病院の在庫の適正化に貢献することができるキュービックスが、日本のがん診療の中枢、国立がん研究センター中央病院に採用いただけたことは非常に嬉しく、今回の採用が他のキュービックス未採用施設への波及効果に繋がり、お得意さまへのさらなる貢献を目指していきたいと考えています。

川村:国立がん研究センター中央病院を担当して、日々営業活動を行う中で、薬剤部長との面談の際に、スペシャリティ医薬品をはじめとする高額医薬品や冷所品の増加による在庫管理の課題に加え、使用期限の切迫による廃棄や損失の不安を抱えていることをお聞きしていました。いつも多忙のところ真剣に耳を傾けてくださり、キュービックスのメリットをしっかりとお伝えして先生方のお役に立ちたいという思いが一層強くなりました。その後、あらためてキュービックスの在庫リフレッシュ機能や在庫自動発注機能など、在庫管理業務の効率化や廃棄ロス削減に貢献できることをお伝えし、採用に繋がりました。現在2台のキュービックスを導入いただき、継続して現状や要望をお聞きする中で、大きな期待をお寄せいただいており、キュービックスで管理していただく価値を私自身も実感しています。

キュービックスの導入で実現できること

大西:キュービックスは2017年、卸物流から医療機関さまへのスペシャリティ医薬品の流通モデルとして導入を開始しました。様々な企業との協業により、IoTやRFIDのデジタル技術を活用したトータル・トレーサビリティを実現し、温度や衝撃、位置情報などを可視化し、24時間365日、リアルタイムで医薬品の管理状態をモニタリングできるため、再販売の可否判断や在庫状況の把握が可能となり、医薬品廃棄ロスの削減や在庫偏在の防止に貢献しています。また、自動発注や不動品・未使用在庫の入れ替え提案などを自動化でき、医療機関さまの業務負荷軽減にも繋がっています。

ラインナップの拡充も進めており、病院版のキュービックスに加え、設置スペースを配慮したスリムモデルの薬局版、補助記録計を装備した治験薬専用の治験版もラインナップに加わりました。さらには、協業企業とのコラボレーションによる機能の拡張として、在宅患者さまのサポート、医療従事者へのデータ提供など、新たな付加価値モデルの構築も進めています。

高波:キュービックスの機能拡張や新たな付加価値モデルの構築にあたっては、お得意さまの声が欠かせません。先生方のさらなる業務負担の軽減に貢献し、連携する医療機関さまにも提案を進めていきたいとの思いから、キュービックスの活用事例を導入する薬剤師が参加し共有する「キュービックス友の会」を開催しています。これまで地域や専門病院ごとの友の会も開催されており、全国各地でキュービックスのネットワークが広がっています。先生方の生の声は、廃棄金額や急配回数、業務時間についての定量的な削減効果や地域全体の在庫適正化など、スズケングループが新中期経営計画の戦略骨子として取り組む「スマートロジスティクス」の実現にも繋がる大切なものだと考えています。

川村:導入提案には、営業担当者であるMSとキュービックスの担当者が連携して、一体となって様々な切り口で提案することが重要だと実感しました。そのためには、不動品や廃棄品目のリサーチといったそれぞれの病院の実情やコスト比較などを分析し、それに基づいた提案活動が必要となります。担当するお得意さまには、キュービックスの機能拡張やラインナップ拡充について情報提供し、他社サービスとの違いなどキュービックスの優位性についても理解を深めていただく活動を行っています。

大西:MSがお得意さまとの関係を日々の活動の中で築いているからこそ、提案に繋げられます。私たちもキュービックスの機能を現場の皆さんにしっかりと伝えサポートすると共に、役割を持って対応しチーム一丸となって、今後もキュービックスの機能的価値をお得意さまに共感していただく活動を進めていきたいと考えています。

「キュービックス」の今後の展望

高波:今回の採用をきっかけに、各営業部やグループ各社の取り組みの共有やお得意さまの声を参考に、優位性を再認識いただき、利用価値に賛同していただけるお得意さまが一軒でも増えるよう、推進していきたいと考えています。その活動を繰り返すことで、キュービックスが真にお役に立つシステムになると考えています。

大西:キュービックスは19の関連特許を取得し、2019年には、一般社団法人日本自動認識システム協会が選定する「第21回自動認識システム大賞」において優秀賞を受賞するなど、経済性、技術的工夫や利便性が評価されています。また、データ利活用による新たな付加価値サービスの構築に向けて、これまでは一部手作業で対応していた業務についてシステム開発が完了し、瞬時に医療機関さまや製薬企業さまへ情報提供できる体制も整備しました。デジタル時代に対応した新たなソリューション提供を目指して、地域医療や製薬企業さまの課題解決を図る大切なキーソリューションとして、キュービックスの可能性はますます広がっていると感じています。

川村:今回の採用はキュービックスの機能を高く評価いただけた証だと考えています。お得意さまから感謝の言葉をいただき、とても嬉しく思います。採用いただいたとしても、それで終わりではありません。導入後の改善の要望や継続的な運用保守の対応も必要であり、お得意さまの声を一つずつ真摯に受け止め、課題解決に向けた取り組みを行っていくことで、さらなるソリューション提案にも繋げていきたい。そして、お得意さま、さらには患者さまの課題やニーズに寄り添い、お役に立つ存在になりたいと考えています。

スペシャリティ医薬品のトレーサビリティシステム「キュービックスシステム」を展開